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浜松の"やらまいか精神"を再燃!9月にオープンしたはままつトライアルオフィスとは?


浜松市では、ベンチャー企業に関する取り組みやイベントが盛り上がっています。この理由として経営者や起業家のパワーはもちろん挙げられるでしょう。しかし、盛り上がりを後押しする存在として、行政も大きな役割を果たしています。
2017年9月、浜松駅からほど近いザザシティ浜松内に「はままつトライアルオフィス」がオープンしました。浜松市外のベンチャー企業が浜松でのビジネス環境を体感できることを目的とした市の施設です。
今回は、浜松のベンチャー業界を盛り上げてくれている「はままつトライアルオフィス」に訪問し、浜松市役所職員で同オフィスの担当者である土屋さんにお話を伺いました。

目次

ベンチャー活性化に行政の一手!はままつトライアルオフィス


岩渕:土屋さん、本日はよろしくお願いします。
土屋:はい!よろしくお願いいたします。
岩渕:先日できたばかりというこのはままつトライアルオフィス、スタイリッシュで素敵ですね。機能性も良さそうですし、とても居心地がいいです。
土屋:ありがとうございます!
岩渕:土屋さんは浜松市役所の産業部産業振興課 新産業創出グループの職員さんとして働いているそうですね。これはどういった役割のお仕事でしょうか?
土屋:産業振興課は浜松市内の産業を活性化させるための課です。私のグループでは、“市内に新しい産業を創出しよう”という目標のもと日々仕事をしています。その中でも、首都圏を中心としたベンチャー企業を誘致する政策として「体験サテライトオフィス事業」を行っています。このオフィスはまさにそのコンテンツの一つとして実施したものです。首都圏のベンチャー企業に委託して、このオフィスの設計や運営をお願いしています。私自身は、この「体験サテライトオフィス事業」の担当者をしています。
岩渕:浜松ではベンチャーやスタートアップに対する行政の後押しが本当に活発になっていますよね。

はままつトライアルオフィス設立の裏にある”浜松バレー構想”とは?


岩渕:はままつトライアルオフィス設立の背景を詳しく教えていただけますか?
土屋:浜松市長は常々「浜松にスタートアップを広げたい」という思いを口にしていて、浜松をシリコンバレーのようにしたいという“浜松バレー構想”を掲げています。浜松の中で起業家を増やすのはもちろん、市外からもベンチャーを呼びたいという思いを政策として打ち出したのが、はままつトライアルオフィス設置の背景です。
岩渕:なるほど、“浜松バレー構想”ですか。ちなみに浜松でスタートアップを盛り上げたいというムーブメントが起きたそもそもの発端はなんだと思いますか?
土屋:浜松はもともとカワイ、ヤマハ、スズキなど、浜松で創業して大企業まで成長した企業が多いという土壌があって、やらまいか(遠州弁で「やってみよう」の意味)の精神やスタートアップ気質があると思っています。
でも実はフタをあけてみると、開業率が全国平均を下回っているという現状があるのです。そこをどうにかしたいというのは浜松市産業の課題でした。浜松をベンチャーの集まる活気ある街にしたいのです。市外からもベンチャーを呼んで刺激を与えたいし、内側からもたくさんスタートアップが生まれてくるようなまちにしたいという思いがあります。
岩渕:かつての浜松の“やらまいか精神”が再燃しているのですね。

首都圏ベンチャーを浜松に誘致しイノベーションを起こす


岩渕:一般的なコワーキングスペースとは何が違うのでしょうか?
土屋:はままつトライアルオフィスに関しては、第一の目的は首都圏のベンチャーを誘致すること。首都圏から浜松に来てもらったとしても、働く場所がなければそもそも浜松のビジネス環境というものを感じてもらえないのでは、と思っていました。外から来た人にも気軽に使ってもらえるような、駅から近い施設を用意しようとしたのが設立の発端です。
岩渕:一般的な浜松市内のベンチャー向けコワーキングスペースではなく、浜松市外からのベンチャー誘致が目的なのですね。
土屋:その通り!「体験サテライトオフィス事業」では首都圏からベンチャー企業を誘致してツアーをすることも計画しています。はままつトライアルオフィスもそれらの事業の一環なのです。
とはいえ、まだこの施設も始まったばかりですから、首都圏に限らず浜松市内やその他の地域からの企業も使えるようにしています。
岩渕:首都圏からわざわざベンチャー企業を呼ぶのにはどんな思惑があるのでしょうか?
土屋:浜松市としては首都圏からベンチャー企業を誘致することで、地元の企業とマッチングさせて新たなイノベーションを起こしたいという思いがあります。いわゆるオープンイノベーションですね。
首都圏から来た企業さんにこのはままつトライアルオフィスを使っていただき、浜松市内の企業との交流の場になればいいなと考えています。ここが新しい何かが生まれる”中間地点”になればという思いから、企業の出身地域問わず使えるようにしています。

利用者同士の積極的な交流は大歓迎


岩渕:オープンしたばかりではありますが、実際に利用者は増えていますか?
土屋:オフィスオープンについて市長が記者会見で発表したのは、オープンの約一週間前でした。それでも、オープン3日前に行った内覧会には30~40人の方々に訪問していただけました。オープン時点では、7社から利用申し込みがありました。オープン当日に1day利用の方も4社いらっしゃいました。現在はもっと増えていますよ。たくさんの方に関心を持っていただけていると思います。
岩渕:すでに多くの人から注目を集めているようですね。はままつトライアルオフィス側からイベントを行うような計画はありますか?
土屋:交流の場ということでいろいろ仕掛けていきたいとは思いますが、どちらかと言えば私たちから仕掛けるというよりも、利用者の方から「これがやりたい」とぜひ積極的に提案していただきたいです。
プレゼンやイベントをしていただくのは大歓迎ですよ。部屋の奥の壁も、もともとは黒塗りだったのですがわざわざ白く塗り直してプロジェクターで投影できるようにしたのです。

浜松でビジネスの根を下ろすきっかけの場に


岩渕:はままつトライアルオフィス、どんな方に利用してほしいでしょうか?
土屋:市外のベンチャー企業はぜひ来ていただきたいです。浜松でビジネスをしてみたいなと思っている方や浜松の住環境を気に入ったという方に、ぜひここをトライアルオフィスとして使っていただきたいと思っています。もともと浜松は楽器や製造業などの企業が多く、それらの企業を親に持つ中小企業もあって、非常に技術力が高いまちだと思います。技術と持った企業と一緒に仕事したいと思っている企業さんに、ぜひ浜松に来ていただけたらと思います。
気軽に使っていただけるよう、利用登録してから3ヶ月は無料です。もし浜松を気に入ってもらえたら他のコワーキングスペースに移ったり、自分でオフィスを構えたりと、トライアルオフィスを浜松にビジネスの根を下ろすきっかけにしていただけたらと思います。
岩渕:最後に、読者のみなさまにメッセージをお願いします!
はままつトライアルオフィス、気になった方はぜひお越しください!知り合いの企業さんに「こんな施設があるんだよ」と教えてあげてくださいね。
私の使命は、浜松をベンチャーの街として盛り上げることだと思っています。「浜松のベンチャー界隈盛り上がってるね!」と言ってもらえるようにしていきたいです。浜松市として今後頑張っていきたい取り組みなので、ぜひ口コミしていただけたら嬉しいです。
岩渕:今後たくさんの企業が訪れ、交流する場になるといいですよね。本日はありがとうございました!
参考ページ:
はままつトライアルオフィスをOPENします!(浜松市)
はままつトライアルオフィス公式

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