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浜松市のベンチャー支援ってどんなことしてるの?産業部産業振興課の人に聞いてみた


「浜松と言えばベンチャー」「ベンチャーと言えば浜松」と呼ばれるほど、今や浜松は日本の地方ベンチャー集積地としての役割を担い始めています。この空前の浜松のベンチャーブーム、実はここ数年の取り組みによって生まれたものなのです。今回の記事では、はままつ起業家カフェにて浜松市産業部産業振興課の米村氏と森氏にインタビューをお願いし、浜松市の動向について説明して頂きました。

目次

人物紹介

  • 米村 仁志 氏|浜松市産業部産業振興課新産業創出グループ長
  • 森 隆仁 氏|浜松市産業部産業振興課創業支援グループ長

※はままつ起業家カフェ:浜松商工会議所・浜松地域イノベーション推進機構・浜松市が連携した創業支援窓口。

産業振興課の4つの軸とは?


若目田:浜松市全体でベンチャー企業を盛り上げようという動きが目立ってきています。その上で、産業振興課のお2人が具体的にされてることをお伺いしてもよろしいでしょうか?市場の背景や課題なども教えて頂けたらと思います。
米村:私たち産業振興課の仕事は、大きく4つの軸で動いています。
1つ目は、新産業の創出、2つ目は海外展開支援、3つ目は企業立地、4つ目は創業支援です。私が担当するのは1つ目の新産業の創出。今、浜松市の主要産業は輸送用機器の製造で、浜松の経済の40%を支えていますが、これに次ぐ新しい産業を作っていきます。

:私が担当するのが創業支援で、浜松市の皆さんが起業する上でのサポートを担当しています。
若目田:いま挙げて下さったことは以前から実施しているように思いますが、では、ベンチャー企業を盛り上げる動きはいつ頃から始まったのでしょうか?
:浜松をベンチャーの街にしよう、と打ち出したのは2014年頃です。アベノミクスの一環で新規企業の開業率を10%にする動きがあって、それに呼応する形で浜松市もベンチャー企業の創出に注力をし始めました。
米村:もともと浜松は河合楽器・HONDA・YAMAHAなど世界を舞台に活躍する大手メーカーを産んだベンチャーの街。新しいものを作る土壌もあるのですが、現在は開業率が全国平均を下回っており、この土壌を復活させたいという想いも込められています。特に製造業の企業は浜松市としても増やしていきたいです。

はままつ起業家カフェが創業支援を加速

画像:はままつ起業家カフェより引用

若目田:はままつ起業家カフェを通して開業した人はどれくらいいるのでしょうか?
:2015年からスタートして、2015年度は577件の相談のうち、47件の開業がありました。2016年度は相談が1023件、開業は73件です。数字は確実に伸びていて、創業を考えている潜在層がそれだけ多いことを表しているのだと思います。
カフェを通して開業してくださった方は、元々は事業領域がはっきりしていなかったり、そもそもどうすれば起業できるのか分からないことも多く、銀行で融資の相談をしても話が進まないことも多々あります。私たちは銀行にも呼びかけて、銀行へ創業の相談をしに行った方を起業家カフェにも紹介してくれるように呼びかけています。

若目田:起業家カフェ以外にはどんな取り組みがあるのでしょうか?
米村:補助金・助成金周りは充実していて、例えば研究開発で補助率1/2で上限1000万円の補助金があります。最近起業家カフェで開業した方などもこの補助金を活用されています。
若目田:取っ掛かりとしては良いですね。
米村:もう一つ面白いのは、昨年から市内に首都圏ビシネス情報センターという、言わば浜松の出城のようなものを設立して、ベンチャー企業の誘致を行なっています。「補助金が充実しているから浜松に来た」と言う経営者もいて、ベンチャー誘致の流れも進んでいますね。

産業振興課の視点から見る浜松で起業するメリット

若目田:ベンチャー企業を支援している側の視点から見て、浜松で起業するメリットはどこにあるのでしょうか?
:浜松には山もあれば海もあり、産業都市でありながら農業都市でもある、国土縮図型都市です。豊富な実証実験が可能であり、ノーベル賞受賞に貢献している浜松ホトニクスや浜松医科大学・静岡大学工学部・光産業創成大学院大学などの研究開発機関が生まれた要因にもなっていると思います。こういった研究機関とコラボレーションできる可能性があるのも魅力的ですよね。

米村:地方都市にしては大手メーカーが揃っているのも着目すべきポイントです。取引先としては魅力的な会社も多い。ものづくりの基盤技術の高さやアイディアを形にする力は強い地域なので、逆にアイディアさえ持って来てくれれば都心で創業するよりも有利なポイントは多くあると思います。
若目田:地場の力を使えるのは魅力的ですよね。
:創業の相談をする場所も多いです。浜松地域イノベーション推進機構もJETROも商工会議所も同じ建物の中に集約されていて、サポートも充実しています。また、賃料補助があるインキュベーション施設もあり今すぐ起業する環境は本当に整っていると思います。
米村:浜松で起業を考えている方には、ぜひ私たちをうまく利用してくれたらと考えています。

編集部コメント

浜松での起業の魅力をたっぷりお伝えしてくれた産業振興課の森さんと米村さん。市内で創業を考えている方はぜひ浜松起業家カフェに足を運んでみてはいかがでしょうか。

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