海と山に囲まれて夏を過ごす“はじめてのワーケーション”『東京 with 浜松』2拠点生活を考えるイベント内容をご紹介

投稿者 | 2020-03-02


※この記事は2020年1月に取材したものです。

いよいよスタートしたオリンピック・パラリンピック(以下五輪)イヤー。五輪期間中の東京は大混雑が予想されます。国をあげてリモートワークが推奨される中、せっかくリモートワークにトライするなら、自然あふれる環境で、「ワーク」と「バケーション」を同時に楽しむ「ワーケーション」を楽しむという手も。

「はままつトライアルオフィス」の主催で2020年1月31日(金)に行われた「2拠点生活、移住を考える『東京 with 浜松』」イベント。「ワーケーション」や2拠点生活のリアルをお伝えするイベント内容をご紹介します。

東京-浜松・片道1時間半。2拠点生活のリアルって?

東京と地方を行き来する2拠点生活に興味はあっても、本当にできるの? と疑問に思う人も多いのでは。

本イベントの登壇者は、みなさん2拠点生活や地方移住の経験者です。まず、今回のイベント会場『3×3Lab Future』の館長・神田主税さんは、浜松市出身で、現在静岡県三島市と東京の2拠点生活を行っています。

浜松市出身だという『3×3Lab Future』の館長・神田主税さん

神田「前職で大手IT企業に所属していた時は、週1~2日は三島で働き、残り4日は東京で仕事をしていました。リモートワークできる環境さえ整っていれば、往復の通勤時間が節約できるため快適な2拠点生活が送れると思います」

1カ月間の“お試し移住”を推進するプラットフォーム「flato」を運営するFromToの宮城浩さんは、もともと東京出身のITエンジニア。今は浜松にも拠点を置いています。

実証実験に参加することを機に2拠点生活をはじめたFromToの宮城浩さん

宮城「浜松市の実証実験サポート採択事業者として採択されたことをきっかけに、東京と浜松の2拠点生活を始めました。家賃は東京の3分の1くらい。新幹線の交通費を入れても、通勤時間を少なくしようと都心に住んでいた東京時代より安く暮らせています」

と、その手軽さをアピール。不動産・賃貸のセレクトショップや、ゲストハウス「365BASE OUTDOOR HOSTEL」を運営する古橋啓稔(ひろとし)さんも、東京から浜松に移住した一人。東京にいた時は、大手アパレル企業に勤めていたといいます。

(左から2人目)ゲストハウス「365BASE OUTDOOR HOSTEL」を運営する古橋啓稔さん

古橋「家賃はかなり安いですよ。2LDKで6万円、3LDKが8万円くらいでしょうか。東京で働いていた頃は満員電車で都心まで通っていましたが、移住した今は自宅のリビングで仕事をする快適な毎日です」

浜松出身で、現在は税理士法人とコワーキングスペース「The Garage」を営む杉浦直樹さんも、“新幹線通勤ニスト”として2拠点生活を経験しています。

コワーキングスペース「The Garage」を営む杉浦直樹さん

杉浦「私は東京にいた時は外資系大手IT企業で働いていたのですが、出身の浜松へUターンし、7年間新幹線で通勤していました。Uターンに合わせて職種を変えてから、スムーズに2拠点生活ができるようになりました」

海と山が近く、地域ぐるみで子どもを育てられる豊かな環境

浜松市は東京から新幹線こだまで約1時間半。駅を降りれば、浜名湖まで約20分、海まで30分、そして山や川もあり、自然に恵まれています。南北に遠鉄電車が走り、車がなくても比較的移動しやすいのが特徴。

古橋さんが運営するアウトドアホステルは駅から10分ほど、「kissa&dining山ノ舎」を営む中谷明史さんが運営するトライアルオフィス天竜は、天竜川がすぐそばに流れる山のふもとにあります。

東京で勤めた後、出身の浜松へ戻って今は0歳の子どもを育てているという中谷さんは、育児中ならではの浜松の魅力について教えてくれました。

自然豊かな浜松で子育ても、様々な人の居場所づくりにも勤しむ「山の舎」の中谷明史さん

中谷「海と山の距離が近いのが、浜松の魅力です。特に天竜区はその95%が森林で、すぐそばに天竜川が流れています。日中はオフィスや自宅でしっかり働いて、仕事が終われば夕方から川釣りをしたり、星を眺めたりとアクティビティに繰り出すことも。地域の方々がいつも子どもを気にかけてくれるので、地域全体で子育てしてもらえている実感がありますね。家族での移住にも、向いていると思います」

東京から離れて、仕事ってどうするの?

浜松市の商圏は、隣接する磐田市や豊橋市まで含めて約80万人。地方中核都市として、YAMAHAやSUZUKI、ローランド、光関連の電子機器・部品メーカー、浜松ホトニクスなど大手企業がひしめきます。

鈴木康友市長自らスタートアップ支援に積極的な浜松市は、行政によるビジネス面のバックアップも充実しています。2019年6月には平井卓也IT・科学技術政策担当大臣が主宰する産学官関係者との意見交換会「HIRAI Pitch in 浜松」も開かれました。

実際に移住して、新たなビジネスをはじめることはできるのでしょうか。浜松に移住してからそれまで経験のない不動産・宿泊ビジネスにチャレンジしたという古橋さんは、

古橋「不動産・宿泊業はまったくの未経験でした。けれど今では国内外からのお客さまで、120人収容の宿泊施設がいつも満室です」

一方、市の実証実験サポート事業に採択されて2拠点生活をはじめた宮城さんは、地方の中核都市で働くメリットについて、次のように感じています。

宮城「同じITエンジニアでも、東京ではとにかくライバルが多かった。だけど、浜松にはエンジニアがまだそれほど多くない一方、ITで困っている人たちがたくさんいます。自分のスキルでたくさんの人や企業を助けられるので、活躍の場が多いと感じます」

コワーキングスペース「はままつトライアルオフィス」「Dexi」を運営する杉田策弘さんも、こう続けます。

「はままつトライアルオフィス」「Dexi」を運営する杉田策弘さん

杉田「運営する「Dexi」や「はままつトライアルオフィス」には、フリーランスの方々が多いんです。すると地元の大手企業やベンチャー企業から『仕事を頼みたいんだけど、できる人いる?』という問い合わせがあるんですよ。よく仕事をご紹介しています」

コワーキングスペース「The Garage」を運営する杉浦さんも、浜松ではすでにベンチャー企業などを中心としたコミュニティができあがっていて、気軽に参加できる雰囲気があると言います。

杉浦「ベンチャー企業やスタートアップの方々が集まり、その周りにどんどん人脈ができています。SUZUKIやローランドなど地元企業の経営企画部や、静岡大でエンジニアリングを学ぶ学生たちも。いまや150人ほどのコミュニティになっています。東京から来た方もたくさんいますよ」

『仕事、どうしよう…』と迷ったら、まずはコワーキングスペースや「はままつトライアルオフィス」などに相談すると、新たな出会いや予想外の仕事が待っていそうです。

うなぎちらしに浜松餃子で来場者の“胃袋をつかんだ”ネットワーキングタイム

パネルディスカッションのあとは、お待ちかねのネットワーキングタイムです。登壇者に浜松で暮らすメリットや、実際どのように暮らしているのかなどを積極的に尋ねる姿が見受けられ、来場者同士のつながりもたくさん生まれました。

浜松のごちそうたち

そんなネットワーキングタイムを盛り上げたのは、浜松のごちそうたち。会場となった「3×3 Lab Future」の併設キッチンでできたての品々をいただきます。お品書きはこちら。

○浜名湖クレソンのサラダ
○三ヶ日牛のローストビーフ
○浜名湖のうなぎちらし
○浜松餃子
○浜松産のお米でつくった塩むすび

浜松で暮らす、働く、食べる……の「リアル」を知ることができ、2拠点生活を具体的にイメージできるイベントとなりました。

左下から時計回りに、浜名湖のうなぎちらし、三ヶ日牛のローストビーフ、クレソンのサラダ、塩むすび、(中央)浜松餃子

はままつトライアルオフィス 紹介

今回イベントを主催した、はままつトライアルオフィスは浜松市が首都圏ベンチャー企業の誘致を目的としたコワーキングスペースです。
定期的にイベントも開催していますので、地元企業とのネットワーキングもできます。
ホームページから登録申請ができます。

【施設情報】
はままつトライアルオフィス
浜松市中区鍛冶町100番地の1 ザザシティ浜松 中央館4F

■営業日時
登録企業:10時から20時 ※休館日、年末年始を除く
1day利用:火曜から土曜 10時から16時
■利用方法
https://hamamatsu-trialoffice.info/index.php からご確認ください。

取材・文/石川 香苗子