Venture Tribe 4th MeetUp イベントレポート | 全5社のピッチ内容を紹介

投稿者 | 2018-09-14

浜松地域のベンチャー起業家コミュニティ、「Hamamatsu Venture Tribe」のイベント第4弾が、地域コミュニティの拠点舞阪協働センターで2018年9月6日に開催されました。

ベンチャー起業家や創業を目指す方、行政や金融機関、大学関係者まで約50名が集まった本イベント。冒頭では、ベンチャー支援機関2社より起業家育成講演が行われ、起業家に求められる要件のレクチャーがありました。後半は、地元ベンチャー5社が、自社の事業やビジョンのアピールをしました。

本記事では、全5社のピッチ内容とゲストのコメントをレポートします。

▼同プログラムの背景や目的、3rd MeetUpまでのレポートは以下の記事をご覧ください。
浜松のベンチャー起業家コミュニティ「Hamamatsu Venture Tribe」が本格始動
Hamamatsu Venture Tribe 2nd meetup イベントレポート
Hamamatsu Venture Tribe 3rd meetup イベントレポート

ベンチャー育成機関による起業家育成講演

デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社 事業統括本部長 斎藤 祐馬 氏

全国で3,000社、世界で1万社のベンチャー支援を行うデロイトトーマツ ベンチャーサポート株式会社 斎藤氏より、成功するベンチャーの要件について講義がありました。ビジョンとパッションを合わせ持っていることが第一要件。そのうえで、人の心に火をつける「着火型」であることが、起業家に求められるとしました。さらに、人を動かすプレゼンは、「自分の体験から社会的課題を見出した“Myストーリー”、会社や相手目線に落とし込んで説得する“Ourストーリー”、締め切りを切る“Now”の視点」の3点で構成することと、ポイントを伝えました。

Beyond Next Ventures株式会社 代表取締役社長 伊藤 毅 氏

技術系アカデミアシーズのインキュベーション投資事業を行う、独立系ベンチャーキャピタルのBeyond Next Ventures株式会社。日本の大学発のベンチャーシーズを社会実装することで、大学と国が潤う流れを生み出しています。創業の準備グループ創出のため、経営者候補をマッチングするサポートなど、大学発ベンチャーにとって必要な支援も行います。
伊藤代表は、自身の創業経験も踏まえ、「事業に対しての情熱を持ち、ビジョン・ミッション・バリューの共感を呼ぶことが重要。本当に社会に必要なことであれば、誰かかが応援してくれる」と、語りました。

アントプレナーピッチ

今、浜松で勢いのある起業家たちが、4分間ピッチで事業内容をプレゼンし、自社やビジョンへの共感を呼びました。

ホットファーム株式会社 「販売地点から逆算する栽培管理サービスの開発」

ホットファーム株式会社では、「次世代が残したいと思う農林水産業を実現する」をミッションに、農産物の生産・流通・飲食事業を展開しています。徹底したデータ観測でメガスケールの生産を実現。地域福祉へ貢献することを事業の目的とし、高齢者や障がい者が役割に応じて無理なく働ける新しい形の農福連携にも取り組んでいます。
全国の気象データや飲食店の会計データを連携し、販売実績から栽培計画に落とし込むITシステムを2018年中に発表する予定です。
梅林 泰彦統括マネージャーは、「食と農のつながりを感じられる、そんな豊かさを感じられるサービスを提供していく」と述べました。

アンヴァール株式会社 「海水から造るCO2フリーマグネシウムの活用」

次世代蓄電池開発・新規発電方式の研究・開発・製造メーカーのアンヴァール株式会社。海水から効率良くマグネシウムやリチウムなどの有用金属を抽出する技術を確立しました。再生可能エネルギーを取り入れたCO2フリーでの有用金属産出モデルは、2017年テックプラント マリーンテックグランプリで、JT部門賞を獲得しています。
今回、鉄を3%以上の任意の割合で銅と2元合金化する技術を用い、従来は作成不可能と言われていた銅と鉄の合晶合金を開発。輸送機器や半導体などさまざまな産業で応用が期待できます。地元企業や大手企業とも提携を組み、新素材や省エネルギーの開発・商用化を続けていきます。櫻井 重利代表取締役は、「日本を資源大国にしたい」と、意気込みを見せました。

一般社団法人システムコラボ・マネジメント 「経営革新を担う基幹系システムの構築」

20~50名の中小零細企業向けに、生産管理と経営革新を担う基幹系システムの構築を行っている一般社団法人システムコラボ・マネジメント。田中 宏和理事長が率いる、静岡大学発ベンチャーです。プログラミング工学を駆使し、基幹系システムのプログラミングを標準化しました。また、担当者が一人でコンサルからシステム設計、プログラムまでを担当するセル生産方式を採用し、効率的なシステム構築を実現しています。
新設の一般社団法人静岡ビジネスアカデミーでは、学生がビジネスを勉強できるサークルの「静岡ビジネスクラブ」を立ち上げました。起業スクールを通じて、事業プランの策定から実際の起業までを学生に提供しています。

▼あわせて読みたい。
中小企業の経営革新に寄り添う基幹系システムを |一般社団法人システムコラボ・マネジメント 田中 宏和 氏へインタビュー

株式会社HappyQuality 「高単価を実現する青果物の開発者が仕掛ける近代的農業の施策」

近代的農業の企画立案から販売を手掛ける株式会社HappyQualityは、高付加価値の製品開発で農業のあらゆる課題解決に取り組んでいます。マーケットインの思考で、消費者ニーズに合った商品を開発・生産。関連会社の農家生産法人サンファーム中山では、農業の若き担い手も育成しています。
また、作物の生育状況を数値で測れるIRセンサー(赤外線センサー) を商品化する予定。そこで得たデータは、栽培マニュアルに落とし込んでいきます。宮地 誠代表取締役は「こうした世界に先駆けるプロジェクトが、4件進行中」とアピールしました。2018年9月4日には静大発ベンチャーの「アグリエア株式会社」を設立し、AI農業の研究を進めています。

モリロボ株式会社 「新たなクレープの需要を掘り起こす、喜びと感動を提供するクレープロボット『Q』」

ボタン一つでクレープの生地を焼くクレープロボット「Q」を開発、制作するモリロボ株式会社。飲食店の人手不足の解消だけでなく、外食産業に新たなマーケットを創造しています。浜松市で、オークラアクトシティホテル浜松のビュッフェレストランに初めて導入された「Q」は、子供連れの家族が楽しく過ごせる機会を提供。その後、引き合いも多数あり、量産化フェーズを迎えています。森 啓史代表取締役は、「“浜松産のロボット”にこだわりたい」と述べ、浜松に拠点を構える企業に生産依頼をかけていきます。現在、海外にも販路を開拓中。将来的に、一番大きいインドのマーケットを席巻したいとのことです。

▼あわせて読みたい。
外食産業の人手不足をロボット技術で革新する|株式会社モリロボ 森 啓史氏のインタビュー

ピッチの終了後には、名刺交換や意見交換などのネットワーキングも活発に行われ、ビジネスマッチングも生まれました。終始、浜松のベンチャー熱が溢れる盛況な会となりました。

鈴木 康友浜松市長は、「開催4回目を迎え、浜松のベンチャーの空気感が醸成されつつあり大変嬉しく思う。浜松の良さは、他県から来た人でも受け入れられ、どんどん活躍してもらえること」と、コメントしました。

編集部コメント

決して楽ではない起業の道において、起業家はときに孤独で道に迷うこともあります。そんなとき、こうしてノウハウを持ち、支え合える仲間がいることは、事業を推進する活力となるでしょう。開催4回目にして、農業や静大発ベンチャーなど、浜松らしさも全面に出てきました。Hamamatsu Venture Tribe、今後の活動に期待が高まります。