浜松の土地とヒトの魅力に出会う農泊、リアルはま・てなしが初開催されました

投稿者 | 2018-06-17


都市から浜松・静岡エリアへの交流人口の拡大を通じた、地域経済の活性化を目指す農泊イベント「リアルはま・てなし」が、2018年6月2・3日に浜松市で開催されました。

イベントの主催は「浜松やらまいか HamaTENASee 地域協議会」。株式会社NOKIOO(本社:浜松市東区)取締役CFOの大倉 正幸氏を設立発起人に、浜松市や浜松信用金庫、浜松のITベンチャー企業の株式会社こころ(本社:浜松市中区)、株式会社NOKIOOから構成される協議会です。

プログラムの背景や目的、詳細については、こちらの公式サイトをご覧ください。

同イベントは中長期的に、①浜松市への来訪者の増加②浜松市の農産物の消費増加③人口減少・働き手の不足に対して一定の効果をあげることが期待されます。

初開催となるこの2日間の参加者は総勢60名ほど。来訪者の約2/3が東京や名古屋、関西圏などの県外から集まり、幸先の良いスタートとなりました。本記事では、1泊2日のイベント内容をレポートします。

浜松を一望できるタワーで学ぶ、まちの背景と文脈

まず一行が向かったのは、浜松のまち並みを一望できるアクトシティ浜松展望回廊です。こちらの建物は、浜松駅から直結したオフィス・ホテル・ショッピング&レストランが揃った、東海エリア屈指の複合施設。45階の展望回廊からは、浜名湖や浜松城、浜松市役所など、浜松市中心部の主要な景観を確認することができます。
また、天気の良い日には、展望回廊から富士山を見られます。


浜松市の紹介するのは、浜松市生まれの株式会社TMAコンサルティング代表取締役の浅沼宏和氏。浅沼氏は、仕事論や経営戦略論を中心的なテーマに全国各地で精力的に講演をこなしています。

浅沼氏の浜松市の説明は、単純なまちの概要だけではありません。「日本で一番晴れが多い日本のカリフォルニア」「やらまいかの街」など、浜松市の地域特性も盛り込んだ内容で、遠方から来た参加者の興味を大いに引きました。中には「浜松市に住んでいるけど知らなかった」と話す参加者もおり、まちの“背景”と“文脈”を知ることで、浜松市の魅力をより一層感じられたのではないでしょうか。

展望回廊での浜松市紹介が終わると、一行はバスに乗り込み、車で約20分程度の浜名湖内のキャンプ場へ移動。道中では、スズキ本社前や日本三大砂丘の1つである中田島砂丘、浜名湖畔などを通過して行きました。

今回のイベントでバスを貸し出すのは、地元老舗企業の株式会社ソミック石川。浜松市で長年暮らし働く職員の「浜松市民は、横断歩道に歩行者がいたら必ず車は止まる」という話に、移住者が「これは浜松市特有、移住したての頃は驚いた」と応えるなど、車内では地元ならではの話が飛び交っていました。

自然と食を五感で楽しむグランピングスタイル


リアルはま・てなしの会場となる市営のキャンプ場は、JR東海道本線浜松駅から3駅の、弁天島駅から徒歩15分。休日ということもあり、家族連れや趣味の集まりなど多くの人でにぎわっていました。参加者からは、「まちの中に自然豊かなキャンプ場があるとは」と、驚きの声も上がりました。

イベント期間中の食事を手がけるのは、地元浜松市の外食ITベンチャー企業の株式会社こころです。食材は全て浜松・静岡産品で、農林水産大臣賞受賞品から、地元の人だけが知る隠れた名品まで用意されていました。

1日目の昼食は、浜松・舞阪のLaLaカレー・ジャパンの本格スリランカカレーと、地元農家の“野菜ファームサラダ”。飲み物は静岡のクラフトビールや日本酒、焼酎、ワインなど豊富な品揃えで、参加者の舌を楽しませました。

イベントで使用された食材は、株式会社こころが運営する直販ECサイト「しずモ」で購入可能となっており、浜松市から遠く離れた県外参加者の「また食べたい」に応えることもできます。

テクノロジーを駆使した、農業×ITのライフスタイル


農場見学は、テクノロジーを活用した先進的な取り組みをする地元農家「ホットファーム株式会社」に訪問。IT活用による徹底的なデータ管理や、ハウスごとに収穫時期を少しずつずらすことにより、通年栽培を可能にしています。りんごのように真っ赤になってから完熟収穫する、トマト好きのためのトマト「アップルスター」など、ホットファームの取り組みについて、参加者は職員から説明を受けました。

ホットファームは、企業理念である共生社会の実現に貢献するため「農業×福祉の連携」を進めています。高齢者の生きがいとしての農業参加や障害者の就労支援など、その取り組みについて話を聞く中で、参加者はメモを取り、質問が飛び交う場面も。ホットファームは、リアルはま・てなしへの食材提供をしており、農場見学は生産者と消費者のリアルな交流の場にもなりました。

地元農産物をふんだんに使ったBBQと焚火トーク


1日目の夕食は、BBQスタイル。食事を担当する株式会社こころの職員が、食材ひとつひとつを丁寧に説明し、参加者に「見てから食す体験」として提供されました。参加者は農場見学をしたことにより、食材をより身近に、生産者の思いを感じることができたのではないでしょうか。


食材の中には、浜松市の水産研究施設の養殖巨大うなぎなど、イベントを契機に商品化された品も紹介され、参加者の興味を引く場面もありました。

食事が終わると、自然と参加者同士の語り合いの時間となりました。参加者のバックボーンは、行政や地域金融機関職員、ベンチャー起業家、医師、農業者などさまざま。焚火を囲んだ語り合いは静かに盛り上がり、参加者同士や地元民の交流は、より深まった様子でした。

深呼吸できる都市、はままつでむかえる朝


リアルはま・てなしの2日目は、穏やかな日の光と鳥のさえずりではじまります。朝露に濡れた芝生を歩き、深呼吸をすれば、都市の生活では得られない“豊かな時間が流れていきます。

朝食は浜松・静岡産の食材を使ったサンドイッチ。朝食を準備してくれたのは、フェアトレードの啓発活動を行う学生団体「TABEBORA」のメンバーです。食後には、フェアトレード商品・地産地消産品を使用したコーヒーや紅茶などを、参加者に提供しました。

本音が飛び交う、リアルはままつ


2日目のプログラムは、前日の盛り上がりをより現実的に情報へ落とし込む、2つのパネルディスカッションが開催されました。

パネルディスカッション1は「都市の働き手」×「地元の働き手」×「移住者」をテーマに、4名が登壇しました。東京在住のファイナンシャルプランナーの池田亮平氏、ヤマハ発動機株式会社グローバル人材開発部の木村晋也氏、株式会社NOKIOO取締役CFO・経営管理部長の大倉正幸氏、そしてモデレーターは株式会社TMAコンサルティング代表取締役の浅沼宏和氏。

パネルディスカッション2は「浜松で働く・暮らすこと」をテーマに、株式会社こころ代表取締役社長渡邉一博氏、浜松信用金庫の辻村昌樹氏、浜松市産業部副参事産業振興課ベンチャー支援担当の瀧下且元氏が登壇。モデレーターは株式会社NOKIOO代表取締役の小川健三氏が担当しました。

浜松市は、官・民・支援者の距離が非常に近く、来訪者や住民を全方位的にバックアップする体制が整っていること。住民のみならず、「よそもの」を暖かく受け入れる居心地がいい風土があることなど。参加者へのメッセージとして伝えられました。

また、パネルディスカッションと同時刻に、「働く女性が繋がるオフサイトミーティング」を同時開催。経済産業省女性起業家支援ネットワーク事業全国事務局の諸戸智霞氏と、一般社団法人 育勉普及協会の小田木朝子理事をモデレーターに迎え、女性のコミュニティ創りについてミーティングが行われました。

パネルディスカッションが終わると、参加者同士で意見交換をする時間が設けられました。参加者はイベントの感想や都市から地方に暮らす意義や魅力について、「移住という選択肢が見えてきた」「また、浜松に遊びに来たい」など具体的な話が飛び交いました。リアルはま・てなしでは、参加者専用のSNSイベントページなど、継続して交流を図れる仕組みも設けられています。

次回のリアルはま・てなしは、秋に開催予定。都市と地方の多拠点生活や移住など、新たなライフスタイルに興味がある方は参加してみてはいかがでしょうか。

編集部あとがき

今回、初開催を迎えた浜松の土地とヒトの魅力を身近に感じられる場「リアルはま・てなし」。イベント終了後、参加者のSNS投稿からは浜松市の魅力やイベントについての感想としてポジティブな意見が寄せられました。今回のイベントを皮切りに、ここ浜松市から、都市と行き交う新たなライフスタイルが広まりることに期待が高まります。